子育て世帯の保険料は手取りの3%以内に抑えよう
保険料は手取りの3%以内に抑えるべきだし、それで十分。
僕が、保険料を手取りの3%以内に抑えるべきと考える理由は2つあります。
- 手取りの3%以上の支払いをすると家計を圧迫し、家計のバランスが崩れるから
- 本当に必要な保険に絞れば、多額の保険料は不要だから
1.なぜ保険が必要なのか?
端的に言って、保険に加入するのは、
「めったに起きないが、ひとたび発生すると家計が破綻する事態に備えるため。」
です。
この「めったに起きない」というのがポイントで、
- 一家の大黒柱が若くして亡くなる
- 車を運転中、人をはねて死亡させてしまった
- 天災により家が全壊した
などが考えられます。
いずれの例も、残された家族の生活費や子どもの教育費、莫大な損害賠償請求、多額のローン残債、など会社からの給与や貯蓄では到底まかなえず、一撃で家計を破綻させるインパクトがあります。
保険加入の意義は、この(金銭的)インパクトに備えることにあります。
ちなみに、「頻繁に発生する」事象に対しては、事象発生を想定できる訳ですから、あらかじめ貯蓄等しておきケアしておくのがセオリーです。
また、相続対策に保険を活用する場合もありますが、記事の主旨から外れるので今回は割愛します。
2.保険料が家計にもたらす影響
人生で2番目に高い買い物と言われる「保険」。
生命保険の世帯の約9割が加入しており、月平均3.2万円を支払っているそうです。(生命保険文化センター:平成30年度「生命保険に関する全国実態調査」より)
僕は収入の多寡ではなく、支出のバランスが重要だと考えており、
毎月の手取り収入を4分割して管理する方法をとっています。
保険料は、手取りを4分割した内のひとつ、「固定費」カテゴリに属します。
このカテゴリは「家賃」、「保険料」から構成されています。
特に内訳は決めていませんが、
22~23%:家賃
2~3%:保険料
くらいが適正かと思います。
特に都会住みだと、家賃を抑えるのが大変なので、加入する保険もシビアに考える必要があります。
保険について深く考えずに加入すべきではありません。
特に、新入社員の時に保険のおばちゃんから「社会人になったら生命保険くらい入るのは常識よ~」などと言われ、よく理解しないまま長年加入している方も多いでしょう。
家計を見直す際、はじめに手をつけるべきは固定費、というのは良く知られていると思います。固定費の典型である毎月の保険料の見直しが家計に与えるインパクトは長期になればなるほど大きくなります。
3.加入すべき保険、そうでない保険
保険には様々な種類があります。
- 生命保険(貯蓄型/掛け捨て型)
- 自動車保険
- 損害保険
- 子ども保険(=学資保険)
- 医療保険
- 火災保険/地震保険 ...etc.
これらは、個々人の状況(年齢、家族構成、運転するか、持ち家か・・・)などにより必要な保険は異なります。
運転される方と、持ち家の方にとって、自動車保険と火災保険は必須でしょう。
というより、これらの保険料が支払えないのならば、車やマイホームを購入してはいけません。
一方、私が加入すべきでないと思うのは、「生命保険(貯蓄型)」と「子ども保険」です。
生命保険は多くの派生があり、ドル建て、変額保険、収入保障保険などありますが、解約返戻金や祝い金などがあるものは基本的に不要と考えています。
子ども保険も、子どもが15歳になったら○○円返ってきて、その前に親が亡くなったら以後の保険料は不要という仕組みになっています。
これらは、本来の保険機能と貯蓄機能を組み合わせたものになっていますが、1.で述べた様に、保険の目的を考えると貯蓄機能は全く不要だからです。
その意味で「生命保険(掛け捨て型)」は保険機能に特化しているため、選択肢にいれてもいいと思います。
4.子育て世帯の保険料のめやす
夫婦ともに30代前半、子ども一人の我が家の場合をみてみましょう。
我が家の場合、毎月の保険料は約7,160円です。
内訳は、
- 収入保障保険(損保ジャパン):約3,500円×夫婦2人分=7,000円
- 個人賠償責任保険(VISAクレジットカード付帯):約160円
これだけです。すべて掛け捨ての保険です。
少し前まで、都民共済の入院保障保険2型:約2,000円にも加入していましたが、病気や入院に備える十分な資産ができましたので解約しました。
また、車は乗りませんし持ち家でもないので自動車保険・火災保険は加入していません。
収入保障保険は、子どもが小さいうちに夫婦どちらかが亡くなった場合(想定したくはないですが・・・)、毎月一定額がお給料と同じように残された家族に支払われる契約の生命保険です。
生命保険は、被保険者が亡くなった場合、一括で何千万円が支払われるといったイメージがあるかと思いますが、収入保障保険は毎月定額を受け取れ、ここから学費や生活費をまかなうことができます。
子どもが独立してしまえば、この保険も解約してもいいと思います。
個人賠償責任保険は、保険料がとても安いですが、自転車で事故を起こして相手をケガ(または死亡)させてしまった場合や、お店の品物を壊してしまった、ホテルのお風呂をあふれさせて浸水させてしまった場合などの賠償に備えることができます。
特に最近は、子どもが自転車で歩行者とぶつかり、1億円以上の賠償を請求されるケースがあるため、必須の保険と考えています。
私はVISAクレジットカードで契約できる「ポケット保険」を利用していますが、
自動車を使う方は、自動車保険の特約として加入した方が安いかもしれません。
5.最後に
みんななんとなく保険に入っていますが、保険は「安心を買う」ためでも、「家族への愛情を示す」ためのものでもありません。
あくまで、家計を破綻させないために加入するものです。
本当に必要な保険に絞り、家計のバランスを適正に保つことが本当に効果的なリスク対策です。